経済学の意義

経済学の意義というのは、「有限な資源をどう有効利用するか」だと思います。経済学の定義からして、そうなっています。

経済学 - Wikipedia
経済学(けいざいがく)とは、この世において有限な資源から、いかに価値を生産し分配していくかを研究する学問のことである。総じて社会全般の経済活動が研究の対象である。

(略)

経済学の最も古い定義は、アダム・スミスの『諸国民の富の性質と原因の研究』によるものである。

政治家や議員にとっての科学分野と看做されている経済学は、2つのちがったものを提示する。一つは、人々に豊富な利益ないしは製品を供給し、更には利益や必需品がキチンと人々に益を齎すようにする方法を。あと一つは、そうした収益を国ないしは社会にサービスとして提供し、結果として人々と統治者を豊かにする手立てである。

一番有名で多くの人々に支持されている定義は、ライオネル・ロビンズが1932年に『経済学の本質と意義』で最初に問題提起したものだと言われている。

他の用途を持つ希少性ある経済資源と目的について人間の行動を研究する科学が、経済学である。

でも、マスメディアから伝わってくる経済問題は、円高で大変だ、円安になっても大変だ、不景気を好景気にするために日銀はどうするべきかとか、金儲けの話ばかりで、資源の有効利用については忘れてしまっていますね。本来はそういうものではないはず。


経済学説の方も、ケインズ経済学では公共事業で有効需要を増やして景気を良くすればいい、マネタリストでは貨幣供給量を調整して景気を良くすればいい、マルクス経済学では労働者が政治権力を握ったら地上の天国だとか、これらも資源の有効利用とは全然関係ないですね。本当に経済学なのかさえ疑問です。


そもそも、好景気だと何もかも上手くいくというのではないはず。無理矢理好景気にしても、イースター島文明みたいに滅んでしまう。不景気は資源の使用を減らすという意義がある。


資源のことを正面から取り組んだ政策に、傾斜生産方式というものがありましたね。

傾斜生産方式 - Wikipedia
傾斜生産方式(けいしゃせいさんほうしき、priority production system)とは、第二次世界大戦後の日本において、経済復興のために立案、実行された経済政策。基幹産業へ重点的に資源配分を傾けることによって、他の産業に波及効果をもたらすことで経済成長を引き起こすと考えられた。これが成功した後に消費財などの生産が増大し経済活動が活性化することが期待された。

1946年12月27日、当時の第1次吉田内閣によって決定され実行された。限られた資源と資金の配分を政策によって決定し、産業成長の速度を上げようという政策である。具体的には、石炭・鉄鋼を重点的に増産し、このことが他の産業に波及するように補助金などで支援し効果を狙った。さらに、食糧と肥料・電力、造船・海運など重点的な産業を指定し支援した。片山内閣でもこの政策は引き継がれ、これらの効果により、戦後間もない日本経済は復興の目処を立てたが、金融の緩みから過剰な資金投入が行なわれインフレーションが加速した。

この立案者は石炭小委員会委員長で、経済学者の有沢広巳であり、マルクス経済学における再生産表式をヒントに考案したと言われる。

インフレは、ドッジ・ラインにより収束し、経済成長の源は朝鮮戦争の朝鮮特需や高度経済成長へと移っていった。

この政策をまた実行して、基幹産業に資源を集中して拡大再生産をする。そこまで戻るべきです。
ただし、今回の基幹産業となるのは資源を有効に使う技術、つまり省エネ技術、環境再建技術と、それらを実現するための教育になるでしょう。


松浦彰夫 拝


人気ブログランキングに参加しています。下記リンクのクリックをお願いします。
人気ブログランキングへ