【書評】イラク占領―戦争と抵抗 パトリック・コバーン

連山が改装しますので、昔の記事を流水成道に引っ越しします。2007年11月28日 09:33の記事です。

イラク占領―戦争と抵抗

イラク占領―戦争と抵抗


wikipedia:サッダーム・フセイン

イラク戦争の惨状が良くわかる本です。
戦争の当初はイラクの人も、フセイン統治時代は最低の状態であり、これ以上悪くなることはない、戦後は良くなるはずだ、と期待していました。しかし、進攻後の復興計画は無く、破壊と混乱をもたらしただけでした。


治安は悪化し略奪と誘拐が横行するようになりました。
電気等のインフラは破壊されたまま放置されました。
一般人も宗派毎のテロの標的になっています。
占領軍は、テロリストへの攻撃と称して、一般人の住居を攻撃します。
技術者や知識人などの生活能力が高い人は、国外に脱出していきます。
政治家は、1箇所だけある安全地域に引きこもり、状況は改善していると、裏付けの無い大本営発表を行います。


以下のような教訓を読み取れます。
・復興計画が無い破壊は混乱を巻き起こすこと。
・最低の状態の下限は無く、予想を超えた惨状があること。
・独裁者と秘密警察による監視社会では、一般民衆は貧しくなっていくこと。
・戦乱で苦しむのは、一般民衆だということ。


こんな戦乱は早く終わってほしいですが、どうすればいいのか、先は見えないです。



wikipedia:劣化ウラン弾


この本ではあまり出てこないですが、劣化ウラン弾BC兵器により土地が汚染されていれば、人が住むには苦しいです。
中東全域や世界中に戦争が広がったらと、考えるだけでも恐ろしいです。

関連サイト BenjaminFulford : アメリカの歴史上最悪の大統領の孤独


松浦彰夫 拝


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