チェルノブイリの植物の放射性環境耐性機構が明らかに

BADH(ベタインアルデヒド脱水素酵素)に放射性環境や重金属への耐性を高める働きがあるらしい。生物学の専門家でないので詳しくは分からないのですが、これが本当ならこれを使って放射線から身を守る方法がありそうです。



チェルノブイリ周辺の植物は、放射性セシウム137などによって汚染された土壌で生き伸びて繁茂してきたが、これまでそれを可能にする生化学的機構は良くわかっていなかった。
スロバキア科学アカデミーのMartin Hajduch博士らの研究者チームは、チェルノブイリ周辺の大豆と汚染されていない土壌の大豆とを比較し、種子貯蔵タンパク質の流動性向上や重金属や放射性環境への耐性を高めるタンパク質などの量に変化があることを発見した。(NewScientist記事Physorg記事
そのうちBADH(ベタインアルデヒド脱水素酵素)は人体を放射性環境から守る働きがあるそうだ。NewScientistの記事ではHajduch博士は宇宙の農場ではこういう放射性環境耐性作物を育てなきゃならないんじゃないのとまで言っている。
この研究成果はJournal of Proteome ResearchにProteomic Analysis of Mature Soybean Seeds from the Chernobyl Area Suggests Plant Adaptation to the Contaminated Environmentとして掲載された。日本でも3/27に独立行政法人作物研究所で講演をしていたようなので、聴講された方は詳しくコメントなどよろしく。

もっとも、放射線耐性に関しては全ての真核生物で似たような仕組みを使っていると予想されますが。
生物は環境に強めの放射線が満ちていた時代に発生していますので、基本的な仕組みは、その時代に完成されているでしょう。
(たぶん数種類の基本的な対応機構があり、あとは種毎のバリエーション展開。)

チェルノブイリの植物の放射性環境耐性機構が明らかに | スラド


松浦彰夫 拝


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