若いか、持病持ち(肥満、喫煙を含む)でも重症化

新型インフルエンザですが、若くて健康な人以外に、持病がある人も危ないです。肥満の人や喫煙する人も危険です。医療の視点からは、肥満と喫煙も病気扱いでした。
合併症も怖いですね。新型ではないですが、合併症の90%は肺炎だそうです。
健康不安を持っていて、肺炎などの症状が出たならば、すぐに診察してもらいましょう。

 【メキシコ市・庭田学、ジュネーブ澤田克己】メキシコのコルドバ保健相は8日、新型インフルエンザによる同国の死者45人のうち半数が、肥満、持病、喫煙などの健康不安を抱えていたと発表した。また、米州保健機関は「仮にメキシコが感染対策を全く行わなかったら、死者は8600人に上った可能性があった」と分析し、予防対策継続の重要性を訴えた。

 コルドバ保健相によると、死者の24・4%は肥満で、その半数以上は標準体重の2倍だった。糖尿病患者もいた。また、11・1%は狭心症や高血圧などの心臓疾患を抱えていた。さらに、8・9%がヘビースモーカー。がん患者も1人いた。

 世界保健機関(WHO)のブリアン・インフルエンザ対策部長代理も8日、メキシコで確認された重症患者の症例を検討した結果、▽若くて健康な人▽糖尿病などの持病がある人−−の2タイプだったことを確認した。
http://mainichi.jp/select/science/swineinfluenza/news/20090509dde007040022000c.html

(CNN) 新型インフルエンザ(H1N1)型ウイルスによる米国の死者2人に以前からの健康問題があったことが、米疾病対策センターCDC)の報告で7日明らかになった。

医療専門誌「ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」のウェブサイトに掲載された報告によると、先月27日に死亡した1歳10カ月のメキシコ人男児は、自己免疫疾患である「新生児重症筋無力症」を患っていた。男児は親族を訪ねて米テキサス州に滞在していたが、心臓欠損や嚥下(えんか)障害、慢性酸素欠乏も抱えていた。

また、先週死亡したテキサス州在住の33歳女性は妊娠中で、ぜんそくや関節リウマチ、皮膚病の乾癬(かんせん)と診断されていた。

報告はこのほか、先月15日から今月5日までに米国内41州で判明した感染者642人についてまとめている。感染者の年齢層は生後3カ月から81歳まで幅広いものの、60%は18歳以下だった。最近メキシコへの渡航歴がある感染者は全体の18%。ダウン症や先天性心疾患などの持病がある感染者は9人いた。入院した感染者の大半は回復しているという。
http://cnn.co.jp/science/CNN200905080005.html

 現在、インフルエンザが猛威をふるい、多くの学校が学級閉鎖をしています。今月はインフルエンザの合併症、とくに死につながることもある重大な合併症を主に説明したいと思います。
1.インフルエンザの合併症の種類は?
  合併症にはインフルエンザウイルスによる一次性のものと、細菌感染による二次性または混合感染があります。
  頻度が高く死亡原因の90%以上を占める肺炎、まれではありますがいったん発症すると重篤となる急性脳症およびライ症候群、その他心合併症、急性筋炎、急性胃腸炎、関節炎、中耳炎、副鼻腔炎などインフルエンザウイルス感染症の合併症は多彩です。
2.肺炎について
  気管支炎・肺炎の合併症は頻度が高く、上で述べましたように、この疾患の死亡原因の90%以上を占めています。肺炎は、インフルエンザウイルスによる肺炎と、細菌感染による細菌性肺炎に分けられますが、後者の方が頻度が高いのです。インフルエンザ肺炎は4−5日過ぎても高熱、咳が続き、呼吸困難、チアノ−ゼがみられるようになります。細菌の二次感染を伴う肺炎は、インフルエンザが軽快してきて、再び発熱、悪寒、咳嗽、呼吸困難、多呼吸、頻脈、一般状態の悪化が見られます。このように高熱が長く続く場合や、一度解熱しても再び発熱があり症状が悪化していく場合は注意が必要です。
3.急性脳症およびライ症候群について
  脳炎・脳症はインフルエンザ感染後3日ないし2週間をおいて、頭痛を伴う意識障害、けいれんで発症します。
  小児で注目されているのがライ症候群です。ライ症候群は上気道炎症状後3−10日から悪心・嘔吐をもって発症し、しばしば低血糖があり急速に昏睡に進んでいきます。年齢は3−16歳に多く、死亡率は36−58%と高率であり、早期発見、治療が重要です。インフルエンザの罹患時または回復期に嘔吐の後、軽度の意識障害(TVサイン陽性・・これは子供がテレビを見ている時に、呼びかけてもまともに応答しないことに似ている。周囲に無関心など)があればライ症候群の初期の可能性があります。この疾患の罹患中あるいは罹患後もしばらくの間、常に子供の状態に注意をはらっておく必要があります。
4.心合併症について
  心筋炎・心膜炎の合併症が知られています。末梢循環不全、心不全不整脈などの症状がみられることがありますが、軽症例では心筋炎の診断は困難です。
5.急性筋炎について
 回復期または経過中に両下肢、とくにひ腹筋、ヒラメ筋の筋痛を突然起こし、歩くのを嫌がります。多くは自然に軽快しますが、急性の横紋筋壊死とミオグロビン尿に伴う腎不全例の報告もあります。
6.家庭での注意とまとめ
 以上重大な合併症を主に述べてきましたが、インフルエンザは伝染力が非常に強くあなどることのできない恐ろしい病気なのです。よって予防が一番大切なのですが、その最有効法はワクチンです。しかし我が国では1995年ワクチンの効果の疑問と副作用の問題により予防接種法より除外され、現在任意接種となっています。
  もしインフルエンザに罹患してしまったら、無理をせず、栄養・休養を十分に取り、症状の変化や合併症に十分に注意しておくことが大切です。
http://www.kakogawa.or.jp/kakomed/memo20.html


松浦彰夫 拝


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