心の入出力

知行合一という言葉があります。似た言葉に言行一致、文武両道というものもあります。

思考と行動、発言と実際、心と体は一致するものであり、口先だけ綺麗でも行動が伴わなければ意味が無い、という発想です。


心の中に理想を持って、それを実現するために行動すべし、ということになるのですが、心というのは漠然として、いまいち実態がつかめません。

立派に行動するためには、どういう心になればいいのか、悩みました。義や勇や誠など、好ましいとされる心の性質は色々あるのですが、一長一短です。しかし、ある時、情報処理や数学の理論との類推をすることを、ひらめきました。

コンピュータの5大装置という理論があります。コンピュータは5つの装置、つまり、入力、記憶、制御、演算、出力の組み合わせで構成されています。入力をすると、記憶、制御、演算などをへて、出力が行われます。実際には、記憶、制御、演算は、中央処理装置(CPU)として、1つにまとまっています。つまり、入力をすると、何か計算が行われて、出力があるということです。

数学には、関数という概念があります。入力があって、何かしら計算し、出力が決まるということです。関数を現実の装置にしたのが、コンピュータだともいえます。


そして、人間の頭脳・心はコンピュータと似ており、ある種の情報処理の装置だとみなせます。情報処理の装置なら、入力と出力があり、入力と出力の間には計算があるということです。

心の入力・計算・出力を既存の言葉で考えると、入力が知、計算が情、出力が意というのが、しっくりきます。

現実世界を、知覚して情報にし、感情で価値判断を行い、意思で目標を定め、行動する。

知ることだけ、あるいは知って感想を持つだけということもできますが、外から見たら何を考えているか分からないし、社会としては無いのと同じです。

行動すれば、その意思、情念、知識がどのようなものか、透けて見えます。


他人がどういう心をしているか(知・情・意がどうなっているか)を知るのは楽しいし、他人が自分の心に興味を持ち、知ってもらうのも楽しいものです。そういう心の交流は望ましいです。

また、蓄積してきた知恵や情熱や意思を、行動を通じて形にしていくことってことも、面白いものです。行動しない人は、人生で損をしているように思えます。

高杉晋作も言ってますよね。「面白き、こともなき世を、面白く」


松浦彰夫 拝


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